つきなかコラム vol.4(2026.7.13)
先日、あるコンサルタントの方と打ち合わせをした際に、興味深い話を伺いました。ある会社で組織改善の支援を行っている中で、各部署の管理職へヒアリングをすると、「自分たちの部署には大きな問題はない」「問題があるのは他部署だ」という声が数多く聞かれたそうです。ところが、別の部署でも同じことが言われている。つまり、それぞれの部署が「問題は他部署にある」と考えており、自分たちの課題として捉えられていない状態だったのです。かつて給与業務を担当していた頃、私たちのチームでも、「人事が正確な情報をくれない」「現場が期限を守ってくれない」という不満が日常的に出ていました。その結果、自分たちの仕事が増え、残業も増える。「現場は営業が本業だから仕方ない」「人事も忙しいから仕方ない」「システムもまだ整備途中だから仕方ない」と考え、根本的な解決には踏み込めていませんでした。「経理・財務部門でも、同じように給与チームへの不満が出ているらしいです」よく考えれば当然でした。情報が遅れる、給与計算でミスやイレギュラー対応が発生する、追加振込や仕訳修正が増える、その影響は、最終的に経理・財務部門にも及んでいたのです。つまり、私たちが感じていた問題は、私たち自身も別の部署へ引き起こしていたのでした。さらにその後、私は人事チームのマネージャーも兼務することになり、問題の発生源となる部署と給与チームの両方を見る立場になりました。そのとき初めて、「どちらの言い分も分かる」という状況になったのです。そこで最初に実務における川下から整理すべく経理・財務マネージャーと相談し、給与チームと経理・財務チームの定例ミーティングを毎月実施することにしました。目的は業務改善ではありません。まずは、お互いの仕事を理解することでした。「月末の忙しい時期に時間を取られる」「文句を言われるだけではないか」事業所も異なり、Web会議が中心、会議の進め方も違う、使う言葉も違う、しかし、毎月同じ日に継続して実施したことで、少しずつ変化が生まれました。経理・財務担当者からも、「そのタイミングは月次決算の締め作業と重なるので、もっと早く相談してほしい」といった具体的な要望が出るようになりました。すると、それまで見えていなかった業務全体の流れが見えるようになったのです。現場で発生した情報が、人事を経由し、給与計算へつながり、さらに経理・財務へ流れていく。誰が、いつ、どのような作業を行っているのか。その流れを全員が理解できるようになりました。結果として、「他部署が悪い」という発想から、「どうすれば全体がうまく回るか」という発想へ変わっていったのです。その後、新システムを導入するプロジェクトもスタートし、その改善取組みに基づき、両チームで連携しながら業務改善を進められるようになりました。興味深いことに、毎月実施していた定例会は、最終的にはなくなりました。なぜなら、会議をしなくても自然に相談できる関係になったからです。かつては不満をぶつけ合っていたメンバー同士が、今では気軽に連絡を取り合い、チームの歓送迎会にも呼ばれるような関係になっていました。今振り返ると、私は「自分事」として捉えざるを得ない立場になったから動けたのだと思います。もっと早く、自分から働きかけることができていれば、もっと早く解決できたかもしれません。現在、私は独立して仕事をしています。営業も経理もシステムも、すべて自分で行っています。その立場になって改めて感じるのは、組織の問題は誰か一人の問題ではなく、必ずどこかでつながっているということです。その会社では、各部署からの率直な意見を集め、まずは役員層が現状を正しく理解することから始めるそうです。「他人事」を「自分事」に変えることは簡単ではありません。しかし、問題解決の第一歩は、相手を理解し、自分の仕事もその問題を発生させている一部かもしれないと考えることなのではないでしょうか。===============================================================本日までに公開された情報から以下を厳選してご紹介しますので、ご興味があればご覧ください!また以下情報に関して、相談のご希望がございましたら、問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください①健康保険 制度改正 2026年(令和8年)8月からの高額療養費制度見直し②同一労働同一賃金 リーフレット「(令和8年度)派遣労働者の公正な待遇確保のため、派遣元・派遣先の連携・協力をお願いします」*7月1日リニューアル・2026年6月2日厚生労働省 日本成長戦略会議 労働市場改革分科会とりまとめ ※特にP14~(1)柔軟で多様な働き方の実現に向けた労働時間法制等、P17~(2)更なる労働参加の促進やスキルと能力を十分に発揮できる環境の整備・2026年6月29日内閣府 第28回規制改革推進会議「規制改革推進に関する答申(案)」概要 ※特にP2 1年単位の変形労働時間制における労働日等の特定の在り方、裁量労働制の適用対象業務の在り方・【参考】2025年1月7日厚生労働省 「労働基準関係法制研究会」の報告書の公表
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