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つきなかコラム vol.3(2026.6.15)

人事担当者の孤独

ある企業グループの人事担当者が集まる会にゲストとして参加した際、ファシリテーターの方がこんな言葉を掛けていました。
「皆さん、普段は人事として社内で本音を話せる機会が少ないと思います。この場は同じ人事の仕事をしている仲間同士ですので、気兼ねなくコミュニケーションしてください。」
会の冒頭の一言でしたが、会場からは大きなうなずきと笑いが起こり、その後は終始和やかな雰囲気で進んでいきました。

そのとき、ふと「自分もそうかもしれないな」と思いました。

そして同時に、長年人事の仕事を続ける中で身についていた自分自身のスタンスや行動を思い返しました。
たとえば、何か情報を受け取ったとき、
「これは共有してよい話」「これは人事部内だけにとどめる話」「これはまだ誰にも話さない方がよい話」そんなふうに、自然と頭の中で仕分けしている自分がいます。

もちろん、どの仕事にも守秘義務や機密情報はあります。しかし、人事が扱うのは「ヒト」に関する情報です。
場合によっては、その人の人生やキャリアに大きく関わる情報を扱うこともあります。だからこそ、「この情報が誰かを傷つけることはないか」「伝えるべき相手は誰か」と、人事担当者は無意識のうちに気を配っているのではないでしょうか。

人事案件について話し合う際も、多くの社員がいるオフィスの中で気軽に話せる内容ばかりではありません。結果として、会議室や個室にこもって話をすることも多くなります。
そんな姿が「密室主義」や「秘密主義」と冗談交じりに言われることもあり、そのたびに「人事だからね」と笑って返すことにも、すっかり慣れてしまいました。

そんな自分自身のスタンスや行動を思い返しながら、冒頭の参加者の皆さんのうなずきや笑いを見ていると、人事担当者なら誰しも似たような感覚を持っているのかもしれないな、と感じたのでした。


その後、私自身も人事として経験を積み、職責や役職が上がるにつれて気づいたことがあります。
それは、部長クラスになると、経営陣との打ち合わせや部門横断の会議などを通じて、多くの人事情報や経営情報に触れる機会が増えるということです。
私自身の感覚としては、マネージャーの時代より部長になった後の方が、同僚である部長達と仕事に関わる話について、気兼ねなく出来るようになったのです。

一方で、担当者やマネージャーレベルの人事担当者はどうでしょうか。

もちろん上司や同僚に相談することはできます。しかし、人事という仕事の性質上、機密情報を扱う場面も多く、気軽に相談できる範囲には限界があります。
さらに中堅・中小企業では、人事部門の人数も限られているため、人事担当者ほど孤独を感じやすいのではないかと思うようになりました。

そのため、社内外を問わず相談できる相手や成長の機会を意識的につくることが大切なのではないかと考えるようになりました。
そうしたことに遅まきながら気づいた私は、部下育成の中でいくつかのことを意識して実践するようになりました。

まず、マネージャークラスの部下には、各部長との協議や意思決定の場にできる限り同席してもらい、そして、日常的に壁打ちや1on1を重ねながら、人事施策を考える際にはマネジメントの視点が欠かせないことを伝え続けました。

また、担当者に対しても、すべてではないにせよ重要な人事情報をできる限り共有し、一緒に考える機会を増やしました。担当者が関わる現場部門の責任者に対しても、「この件は担当者に任せていますので、一緒に考えていただけると助かります」と伝え、担当者自身が主体的に現場と向き合える環境づくりを意識しました。

そうした取り組みを通じて、人事だけで決める、あるいは経営と人事だけで決めるという姿勢から、現場の視点をベースにして課題解決を進める姿勢へと少しずつ変わっていったように思います。

ただ、冒頭で触れた「孤独」の解消という点では、社外とのつながりを増やしたことが最も効果的だったように思います。

研修会社などの協力会社の方々との関係を深める中で、部下たちも上司にはなかなか言えない悩みや本音を相談できていたようでした。そうした社外の存在が、人事担当者にとって貴重な相談相手であり、支えになっていたのかもしれません。

人事担当者は、社員の相談に乗る機会は多くても、自分自身の悩みや迷いを安心して話せる相手は意外と少ないと思います。

私自身も長年人事の仕事をしてきた中で、多くの仲間がそのような孤独を抱えながら仕事をしていることを感じてきました。

だからこそ、現在は社会保険労務士として、法令や制度の助言だけでなく、人事担当者の皆さまが安心して相談できる「伴走者」のような存在でありたいと考えています。

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先月(2026年5月)までに公開された情報から以下を厳選して紹介しますので、ご興味があればご覧ください!
また以下の情報に関して、相談のご希望がございましたら、問い合せフォームへお気軽にご連絡ください。

再掲:更新情報
 小規模事業場(労働者数50人未満)のストレスチェック義務化へ向けての情報
 ストレスチェック制度に関する実施マニュアル概要版・リーフレットの公表 2026.03.25(厚生労働省)
 →2028年(令和10年)4月1日付の義務化にて決定いたしました!
  労働者数50人未満の小規模事業者の方|厚生労働省

①4月24日 カスタマーハラスメントおよび求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策義務化に関する通達およびQ&Aを公表( 厚生労働省)
Q&A・ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf

②5月1日 労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取扱いに関する情報を更新(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202605/0501.html

③5月27日 政府の日本成長戦略会議の下に設置されている労働市場改革分科会の第4回目が開催され、とりまとめ案が示されました。
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001704959.pdf
参考資料 https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001704956.pdf
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